無限の可能性を持つ子ども達を前にし、期待が大きくふくらむ毎日です。 あれも、これもと多くを望み、また多くを与えたくなるのは私だけではないと思います。 ですから、基本的な保育に加え、体育遊びに鼓笛、英語遊びにコンピューターと多くのことが 経験できる場を園では用意しています。 それは、やればできるんだという実感を得てもらうためです。 しかし、それらの活動がただの「お稽古ごと」メニューの羅列になってしまったら、子どもは 何を得るでしょう。 得たものは今、無くてはならないほど大切なものでしょうか。 実は就学前に少々の技術や知識よりもっと大事で、間違えなく獲得して欲しいと思うのは少し 別のものです。 うまく表現できませんが、自分自身を「生かしていく」力とでも言って良いのでしょうか。 それぞれの子どもが、大切な自分の人生を充実したものとして生かせるように。 そのために本当に必要となるものを是非得て欲しいと思います。 報道される青少年のいろんな分野での活躍。または、ひきおこす事件。 身近なところでのボランティアや実習の若者とふれあい。
それらを通して、では園の子ども達にどんな青年・大人に育っていって欲しいのか、が、だんだん 明確なものとなってきました。 具体的には、『やりたいこと』をしっかり持って、肝心なときには『集中する』力を発揮できること。 もう一つは『人の心の喜びや痛みが分かる』力を持っていることです。 そのための基礎的な経験を保育園で味わってもらえるように先進園の実践を学びながら、 3〜5歳児さんは年齢の枠を超えて、 好きな活動を自分で選択できる「コーナー保育」を導入しています。 組の枠を取っぱらい、子ども自身が活動を決めて @ 子ども一人ひとりの、やってみようとする気持ちを大切にしてあげることで、 やる気・集中力を高める A 均質でないことが当たり前の異年齢児の集団の中で、お互いの個性や違いを尊重し、 気持ちを知る心を育てる という2つの面を特に伸ばしていってあげたいのです。 子どもの権利条約にも謳われる「子どもの意見表明権」を常に意識し、今はしっかりと一人ひとりの 「やってみたい」という気持ちを受けとめられる園を目指しています。 そしてこのことから、人も自分自身も大切にし、積極的にものごとに取り組む青少年に将来成長 していってくれるのだと思います。